医薬品販売の歴史と医者による治療との関係
人間の歴史は病気との闘いの歴史でもあります。人間は誕生当初から病気や怪我と何らかの闘いを続けてきています。セルフメディケーションを健康の自己管理と病の自己治癒とするなら、薬草が用いられるなどして、その原型は有史以前からすでに実践されていたはずでしょう。クスリの使用を前提に考えるなら、薬剤の発明、薬剤師の誕生を待たねばなりません。西洋ではだいたい中世頃とされ、日本では12世紀の鎌倉時代にそのルーツが見られます。次第に医学が発達し、医師という職業も誕生しましたが、医者にかかることはとても高額で、一般の庶民にとっては経済的事情からセルフメディケーションに頼らざるを得ない時代が長く続いています。クスリの販売に視点を移すと、日本では、鎌倉時代の高野山の僧が行った薬の行商が最初です。やがて17世紀終わり頃、江戸時代に入り、薬問屋が誕生して店舗販売が開始されます。また、全国を行商して行脚する富山の薬売りが始まったのもこの頃です。セルフメディケーションは、その呼称が暗喩するように、医者による治療に相対する概念として定義されています。医者の治療を受けることが選択肢と成り得て初めて、セルフメディケーションの意義が出てくるのですが、これは近代まで待たねばなりません。日本では1961年に国民に保険加入が義務付けられました。ある意味、選択肢のひつつとしてのセルフメディケーションは、この時から始まったともいえます。
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